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2010年12月31日 (金)

たまには「計算」 (101231 補記)

なんか今年もずっと鳥と目のない・・・ちゃった、とりとめの無い迷走ブログを書いてきましたけれど、とうとう今年も大晦日になりますた。

 木登りってのはやってみると結構楽しい遊びですけれど、ロープを使った安全木登りで一番強く指導されるのが降下時の速度ぢゃないかと思います。 今年の シメ はこの降下速度がらみのテーマで・・・

いきなりthunder ですが。

 高い位置に置かれた質量には位置のエネルギーってのがあるってことになってます。
 位置のエネルギーってのは、言って見れば「何らかの量の仕事をする可能性」のことですけれど、実際にこれは降下とか落下punchbomb とかで物理的な現実の作用を引き起こし、最終的には熱となって周囲に散っていくわけです。

んで、

 これまでリギングで使うポータラップ、摩擦制動器、をナニゲに使ってきているんだけれど、これってつまるところは位置のエネルギーを摩擦熱に変換する道具なワケです。

具体的に
 60kGのクライマーを、12mの高さから、カラビナとかエイト環にミュンターヒッチをかけてギリギリと下ろすビレイ作業ってのを考え、この位置のエネルギーが どんだけ~up の熱になるか計算だけでもやっておこう というのが今日の思いつきだったりします。

位置のエネルギーってのはM*G*Hで計算されるって事ですけれど、それが具体的にどういう生活感覚(笑)のものなのか把握しておきたい・・・ と思ったりしてますし。

 念のため、Mは質量(kG)、Gは重力加速度(9.8)、Hは高さ(m)で、計算された結果はジュール(J) ってことでした。

 上のクライマーのエネルギー値を計算しますと
  60*9.8*12 = 7056(J) です。

これだけのエネルギーが水1リットル(=1キログラム)をどれだけ暖められるか計算すると ですね、1カロリーが4.2Jだったことを思い出せば aries

温度上昇ΔT=7056/(4.2*1000)=1.68度 (温度上昇 単位はケルビン)

 ね、これだけ見るとタイシタ事ない・・・んですよね。 たった1.68℃程度しか湯が沸かない。 お臍でお茶も沸かせない程度 って理解してて・・・いいんでしょうか。

 実際に枝下ろしとかロワーダウンなどでお湯を沸かすなんて高尚な遊びってのをする人も無いモンで、普通はアルミ製のカラビナやエイト環とかで降下速度を抑えて安全に下ろす・降りる作業をするワケです。

なので
 水の比熱で温度上昇を計算してもあまり嬉しくない penguin
 アルミや鉄だとどうなるか ってのが最初の検証ステップにあってもいいかも知んないですね。

 水の比熱は4.2J/g・K (Kはケルビン温度)でした。
 同じ重さのエイト環とかの素材に上の計算を適用してみますと
 アルミ       0.880 (J/g・K)
  なので ΔT=7056/(0.88*1000)=8.02 度

 なるほど 水の場合の1.68度でなく、アルミでは 8度の温度上昇ってことですね。

 ん・・・ これでもそれほどタイシタ熱にはならないような錯覚を起しそうです。

 でも、待ってくださいね、1kGのエイト環って、使ったことあります?

 ないですよね 普通 snow

 普通に売られているアルミのカラビナの重さはだいたい100gですから、上の計算で暖められるアルミの質量は1000gぢゃなくて100g つまり温度上昇は8.02度ぢゃなくて80.2度 ってことになるんぢゃありませんか?

 ん・・・ これだけでいいのかな gawk ?

 計算して求めている温度上昇ってのは、アルミ素材全体に一様に拡散した平均温度の変化なわけですけれど、熱を発生しているのはロープとアルミとの摩擦面です。

 つまり、限りなく薄い摩擦面で発生した熱がエイト環とかカラビナとかのアルミ素材全体にじわっと伝わった時のことを考えているワケです。

 するってぇと・・・ たとえばエイト環とロープの間に1mm程度の薄い板状の巻きつけ面を考え、エイト環全体100gでなくて、その巻きつけ面のアルミ20g程度の素材(全体の1/5程度)の温度上昇を計算して さっきの80.2度ぢゃなくて、その5倍 400度bombの温度上昇 って考えるほうが実態に近いのかな?

むふっ

 だんだん収拾のつかない展開になってきました smile

 だって、降下速度(エネルギーの発生密度)とか、発生する熱の拡散とかを織り込んでいないモデルでこんな事考えるだけ無理な話ですもんね。

 やっぱし普通に使い慣れているヘアドライヤーなどの電熱器具に置き換えてイメージするのが現場的理解として正当かな と思います chick

最初に戻って見直してみましょう。
  体重60kGのクライマー12m高での位置のエネルギーは
  60*9.8*12 = 7056(J) でした。

 このJ(ジュール)ってのはW・s(ワット・秒)という単位です。 
 もし、このクライマーを毎秒0.5mの速度で下ろしたとしたら、24秒のロワリングで7056Jの位置のエネルギーを熱にして放散させたことになりますね。 

つまり、
 7056(W・s)/24(s)=294(W)

 だいたい300ワットのヘアドライヤーで24秒間、エイト環とかグリグリとかを加熱したのと似た状況になるんでしょう sweat01。 

 簡単に300ワットのドライヤーっていいましたけれど、これを300ワットの半田ごて って言い換えたらどういう印象・理解になりますでしょう dash
 やっぱし毎秒50cmの降下速度ってのはヤバイんぢゃないかって感じになりますよね。 普通には毎秒30cm程度以下の速度で下ろす って教わりませんでしたっけ?

 ま、いつものように又してもクダクダとつまんないブログ記事を書いてしまいました foot

 特に上のウダウダでは、発生した熱は空冷効果やロープ自体に分配される熱を考慮してませんからね、ま、参考になるかどうか 基本心得程度の理解にとどめておいてくださいね。

wish you all the best for new year 

皆様 どうぞ安全によい歳をお迎えください fuji

-----  補 記 -----お

えっとぉ ですね、上のハナシを要約して ぢゃナンでも毎秒30cm程度で下ろせばいいんだ なんて安易な結論に結び付けないでくださいね。

 レスキューなどの局面ではフル装備のオトナ2人の重量が60kGで済む事はないです。

 杉ヒノキの20m全木を根元から伐採する局面でのロープ吊りでは200kGを超える負荷を扱うことだって有り得ますけど、こんな場合ですと位置のエネルギーはどうなりますか、ちゃんと計算するとロープの送り速度は毎秒10cm程度でもアビナイ って事になりかねませんね。

 そんな事例でも、さっさと木を寝かしたい、じっくりロープを送るような時間余裕が無い なんてぇ局面では、当然なんですが、ポータだけを使ったブレーキング・・・ ってアタマの固いイメージにしがみ付いてちゃいけません。

 本来なら受け・追いだけで始末できるかも知れない状況の木であっても、電線とかの障害や腐れなどの激しい材を相手にするような場合、どうしてもロープ牽引などの保険をかけておきたいってこともあり・・・ かも知れませんし。

ちゃんとナチュラルクロッチングに使える3つ打ち・16ストランドのリギングロープをつかって近場の樹の幹に半巻き~2巻きしておいてからポータをコントロール用に使う。 そうすることで、発生する熱の放散面積を拡大する なんて事もちゃんと考えましょう。

特に複数の牽引具を使う作業では、これもアタリマエの事なんですけれど、チルホールとかロープ・プラーってのは速度に対応できる道具ではないってことを十分に織り込んだ組み立てをしたいですね。
 局面によってはフィドラなどの倍力滑車システムのほうがパワーに勝るウインチよっかずっと効果的に機能するって場合もアリだと思います。

 とにかく、安全作業を考える上での工夫はいくらでも重ねていって良いでしょう。
 また別のイメージが浮かんだらまた懲りずにこのブログに書き留めておこうと思います。
そのうちにこのブログが何処かの誰かの役に立つ・・・ なんてことだって、あるかも知れませんしね(汗)



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