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2009年1月20日 (火)

ANSIって、工業規格? 補記(090120)

 ANSI ( American National Standard ) アメリカ標準規格とでも訳するのが普通なんだろうが、現役のころはアンシーと読んでISOやJISなどと同じようなものと位置づけ理解してきた。

 このANSIの規格がよくアーボリスト関連の書籍やインストラクションDVDなどの中でロープなどの安全使用範囲やら樹木剪定の方法などにからんで言及されている。

 だけど、ちょい待ち。

  JIS規格で植木の剪定について記述しているなんて話聞いた事がないし?

 

Photo_2

 一般に販売されるトラックロープでも、それが何トンまで切れずに使えるかを示している事って稀だと思うけど、通販などで海外の製品を調べてみれば、逆に、そういう安全使用範囲を示していない製品を探すことが難しいってこともあるし?

 まあ、40cc未満のチェンソーでは国際的な安全規格を適用されず、チェンブレーキを装備しない製品が量販店で自由に販売されていることなども考えあわせると、JISやら何やらの規格の存在自体、どういう価値があるんだろうか? と半ば諦めににた疑問が頭をもたげてくる。

 倒錯した見方が好きで、西欧の人間は皆アホばかりだからそういう規格値をちゃんと明示しておかないと事件事故ばかりになってしまうが、日本では耐荷重などの規格値なんか明示しておかなくても、使うのは皆わかっている人たちばかりだから心配しないでいいんだYO って言い出しかねないのも居るみたいだ。

 40年ちょい昔、まだビデオテープがオープンリールだったころ、各メーカーの独自規格のテープフォーマットを互換するため「統一1型」という国家基準を定めようとする会議の委員メンバーの中に混ぜられたことがあった。
 まだ下っ端で使い走り程度のことでしかなかったけれど、当時はなんとなくも晴れがましくも、日本のため~ とでもいうような、なにか使命感みたいなもの、を能天気にも感じていたりしたもんだっけ。

 VTRでもカセット式が出現し、統一1型なんて言葉がさっさと洗い流されて行ったころ。 役人も企業も右肩上がりの世界観を共有し同じような夢を抱いていたような記憶というか、錯覚というか、そういうものが懐かしく思える。

ところで林業の世界では、あの古臭い統一1型の夢さえ、まだ芽生えてもいないのだろうか?

なんでこんな佛草ブログを書いたのかってえと~  ですね・・・

 時々、ですが、ロープの廃棄基準などをまるで考えていない現場にでっくわすことがありますです。
 そういう現場のリーダーの意識では、人力作業の伐採補助具として12mmトラックロープ(クレモナなど)を使うとき、そのロープの使用限界を超えるような使い方をするなど想像もできない という見識があるようです。
 私のブログではよく指摘しているんですが、白いナイロンロープの代表的な存在のクレモナロープ12mm径の破断荷重は新品時で1200kG程度ということになっています。
 このロープでモヤイ結びをつかい、3倍力滑車システムを組んで2人の人間が全力で牽引したとき、果たしてどういう事がおきるか。
 計算は簡単すぎて粘り強い実態とはあまりあわないように思えるかもしれませんが、ちょっと触れておきましょう。
 新品ロープの限界破断荷重  :1200kG
 もやい結び低減  0.7 →  : 840kG
 (堅結びの場合は 0.5)

 2名の牽引パワー     →  : 200kG
 これを3倍力システムで牽引  : 600kG
つまり
 ロープの限界 840kG に対し、実際に印加される牽引力 600kG つまり新品のロープを利用した場合でも逓減率70%となり、もう安全の余裕はない という状況で使われていることになります。

( 牽引パワーとして2名の力を想定しているのは、よく森林ボランティアの爺さんたちが大勢で声をあわせて間伐の補助ロープを引く姿を目にしているからです (゚m゚*)  
 ツルを折るところまで と、かかり木になってしまった檜を引き落とす時と で別に考えないといかん局面がでてきます )

補記(090120): 工業製品を使うとき、常に最大規格から一定の逓減をした限界を設定し、常時その範囲内で使うことが安全管理での常識になっています。
 
ロープの場合であればWLL(ワーキング・ロード・リミット)またはSLLセーフ・ロード・リミット)などと表記されますが、基本的に破断荷重の1/8~1/10程度を常用負荷限界とすることになります。
 
この例で言うと、120kG以上の荷重をかけるような使い方は許容限界を超えるんぢゃないか というのが本当の話になりますが、現場的にはどうなんでしょう。 あまり意識されていないみたいですけどね。

似たような12mm径の3つ打ちロープでも、林業用のロープ、「アーボマスター」では破断強度が7000ポンド、約3トン強ということになります。 36m長のもので8000円程度。  20m長3000円前後の1.2トン強度のトラックロープと比較して、これは高いんでしょうか、安いんでしょうか。

 (強いロープとしては鋼索以上の「アムスチール」 12mm径で約15トン破断荷重というものもあります)

 ANSI規格Z133.1にWorkProcessという項目があって、そこで規定されている人間用のクライミング・ロープの破断強度が最低5400ポンド (2.4トン) なければならないという箇所があります。
 カラビナやスナップシャックルの強度も5000ポンド(2.2トン)を要求されているんですが、これに相当する国内規格基準を探しているうちにこんなブログになってしまったって訳です。

 なんか最近、失業対策で林業!なんてムーディな話が国会でも取り上げられていますけれど、そういう安全とかを指導するリーダーさんたちがちゃんと勉強し、現場をちゃんと指導してゆく時の拠り所としての基準を、体制を、しっかりと考えて欲しいものだと思いますね

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コメント

何時だったかな~・・・「森の力」なる浜田久美子氏の取材本を紹介頂きました。
 一寸間伸びして、昨日読みあげましたよ。
いい本デスね!。ウッズマンの「林業寺子屋プロジェクト」の記載も有ります。月光仮面さんの「即実行」には付いていけませんがね~。
 輩は、森林組合に半年ばかり、在籍し、この本の通りの実態を痛烈に実感しました。
 昔は、理想も有りましたが、在籍するNPOの???、そして追い討ちの神経痛で醒めてしまいそうな輩には、いい刺激になりましたよ。私の生国は佐賀、「葉隠」ですが、「山のよさ、木の良さば知ってほしかとよ」は胸に響きます。仮面さん、寺子屋の聞き語りを、NPOでやって欲しい処ですが、ダメなら、私の”徒然想”で副会長を交え語り合いたい気持ちです。日本、少しは変らざるを得ない時節に来てる感がします。

んー。んー。
難しくてコメントをいつもためらってるんですが、今日は言いたいことがあるのれす。
最近、といっても世の中が不景気になり、その上環境問題やバリアフリーが企業に求められるようになって、企業は正直あっぷあっぷの状態になっている感じがします。
こういうシワ寄せはどこに来るのかというと、決まって一番下っ端の従業員やお客様の安全や信頼がややもすれば犠牲になってしまう。
環境問題もバリアフリー化もとっても重要な事はわかっていますが、本来は犠牲になるものがあってはならない事です。
もっと緩やかに世の中の変化が訪れればよかったのですが、このところの変化は急激すぎて無理があると思うのです。
関係ない話でご免なさい・・・
いやね、今の大型路線大衆乗り合い乗用車を見ていると、昔は決して壊れることが無かった(絶対壊れちゃまずい部品)が信じられない壊れ方をしたり、ここは緩んだらどこに吹っ飛んでいくのかわからないでしょ!というナットがスプリングワッシャが入ってなかったり・・・(規定トルクで締めればOKらしいけど、きっちり外れて走行不能になった)日本製のエンジンに無理やり安い海外製のATドッキングするもんだから、新車時からオイルがだだ漏れだったり、物作り精神の国ニッポンはどこへ行っちゃった?という気持ちです。
メーカーさん、どこまで整備する側に責任を持たせるおつもりで?

仙人さん、膝の具合も順調にご回復の様子、そろそろ復活!の季節ですねー
 大企業で開発やってたころは、口の悪い先輩から どんなに下手糞な設計やっても最低5万台は売れるから~♪ と挑発されましたです。 売れる売れないの心配はないけれど、設計ミスで商品を回収する段ではそれだけ余計に大変なんだYO という意味なんですが、傍から聞いていたらどんな勘違いされたことか(笑)
 自前の設計開発請負いをはじめたころ、どんなに上手い設計やっても、その売り方で四苦八苦してましたんでねー まあ、人生いろいろですし。
 一人親方に近い形態の多い林業では、それこそ営業から施行まで苦労が絶えないわけですが、人を使う立場であれば、せめて最低限度は護らなければならないガイドラインというものもありそうです。 
 実際、調べてみれば国内では森林総研などがKPlanとか色々な技術計算情報を提供している訳ですけど、これが林業架線技士などの資格学問に集約されてしまうと、これからの林業新規参入組さんには見えない壁になりかねないような気がしてます。
 いろいろ考えてみたいと思ってます。

音や~ん♪
 昔から君子は一人を慎むという言い方があった筈なんですけどねー。
 誰も見ていなければ、犯人が特定されなければ、どんどん手を抜いて・・・というタケシの赤信号無視宣言が横行してしまってますね。

 誰も知るまいと思っていても、天知る、地知る、吾が知る。

 って、古っ!のひとことで削除されたり死語にされちまったりしてるみたいですけど。

 寺子屋の水野さんは、自分の施行した址は誰に見られても恥ずかしくない立派な仕事だと胸をはれる生き方するんだ と、ごく健全、かつ、ごく当たり前のことを丁寧に説明しておられましたね。 それを指してダンディズムと言っておられたのが印象的でした。 まあ、肝心の山主さんが悔い改めて自分の山をちゃんと管理するようにならないと拙いわけで、税法とか緑の環境課税を発端にして強制的にそうせざるを得ないという仕掛けを組む必要があるんでしょうね。
 車の世界でいえば三菱のハブ脱落事故多発で告発された前会長さんが裁判で無罪を主張したとき、私は3L四駆ディアマンテを廃車にしました。
 二度と三菱には乗らない・・・ って、だんだん乗れるメーカーが無くなってきてますけど(汗)

 林業に限らず、おおよそ技術にからむ世界ってのは知識や知恵の部分が半分、プライドや格好良さの部分が半分あるんぢゃないかと思ってます。
これからも 格好いい仕事、遺しましょう。

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