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15年も前の事など

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2007年2月22日 (木)

枯れ松は哀しからずや

 二昨日(!?)、八王子の元本職の木樵さんとウッドターナーが4人も川越へ来てくださった。  実際に伐採したいと思っていたのはクヌギやシデの大木だったが、大枝を落としてからでないとリスク予測が難しくなるとのことで諦め、別の地主さんのヤマをあちこち案内して最後にチェンソー練習場に借りているヤマの樫と令布を伐採することで落ち着いた。
 西多摩SフォーラムのYさんが御歳をも顧みずさっさと樫の木に登って大枝をほよっと落としてしまったのには参ったが、その後の樫本体の伐倒処理の豪快さは初めて見るもので実に面白かった。
 手順は幹の5m程の高さにワイヤー掛けをし、15m程度はなれた木株で滑車ならぬシャックルでワイヤーを折り返した。 てっきり近くの大きな木にチルを台づけするものと思い込んでいたその肝心のチルの姿が陰も形もない・・・ あれえ?と思っていたら、伸ばした13ミリのワイヤーをなんと四駆ジムニーのリアフックに直に台付けしてスタンバイ ってえわけだ。 なんと豪快。 
 Yさんが使うMS230がセオリーどおりに受け口を切り、即座に追い口を切る手順は なるほどプロでもなかなかここまで華麗で無駄ないチェンソー捌きはできないもんなぁと感心してばかりいた。
 S師とYさんの呼吸があったところでジムニーが動く、樫が轟音をたてて倒れる。 即座にわらわらと全員が群がって大枝を払い、これまで目通り30cmほどの存在感の大きかった樫の木はすぐに木工加工の素材に転身を遂げた。

 次の素材、令布(リョウブ)、は中折れして他の木に掛かっていたもの。 その折れた下の部分は腐れが進んでいたので利用を諦め、比較的無傷にみえた上の部分を元玉落しで引き下ろして参加者の車につんだら 3台ともそろそろサスに余裕がなくなってきた。

 やはり今年はあたたかい。 2月だというのにもう水が上がってきて材が重くなっているのかな。

 御3方には拙宅までお越しいただいて改造途中の吾が工房を見ていただく。 まだ100Vのブレーカーが飛ぶので使い辛いことまで正直に公開してしまったのだが、1.5馬力のモーターを使った集塵機とエアコンプレッサの回線を同じブレーカーから取っていることまでは、とてもぢゃないが恥ずかしくて口にはだせなかった(汗)
 多分そのあたりは見抜かれていて、どっちかってえと呆れられていたんぢゃなかろうかと思う。

 ま、それはおいといて っと。

 中堅サイズの樫を伐採したあと、気がつくと、その近くに立つ枯損松に揺れが目立つようになっていた。 重心は明らかに農用林農道直撃コース上にあり、かつ、私が使っているチェンソーカービング練習場の中央をとおっている。 これはヤバイ。 相当に ヤバイ。

 これまで脇の樫が一緒になって受けていた風も、すでにこの枯れ赤松が一手に受けるようになった訳だ。

 いつまでもいい気になって彫刻にばかり熱中していると、気づかぬうちに何処からともなくカラスが一羽飛んできてこの赤松に留まる。
 僅かにギリギリ持ち堪えていた枯れ松は、留まったカラスのアホーという鳴き声にプライドを傷つけられ辛抱たまらずプッツリと切れてしまうに違いない。
 神よ悪魔よ。 その時である。 夢中でリスさんを彫っている私の頭上に、ゆっくりと枯れ赤松の巨大な幹が ああ、スローモーション映画を見るようにゆっくりと倒れかかってくる・・・

んな訳ないだろうとあらぬ思念を振り払うと、今度はまた別の妄想が頭をもたげてくる。

 農用林と言っても昔とちがって人里のほうがヤマに近づいてきている今という時代だ。 この場所には、彫りかけのリスを面白がってヒマを持て余したロートルが見物にくる。 ただの通行人なら別に気にしないのだが、幾度も見物にきては作り置いたベンチに腰かけて日向ボッコする人もいるらしい。  こ、これはヤバイ。 かなり 相当に たっぷりとヤバイ。

 もしも、もしも である。 もしも1羽のカラスがやってきてあの揺れている枯れ赤松のテッペンにとまったりしたら・・・ 日向ぼっこしているおばあさんの運命は?・・・ もしかしたら私の彫刻リスが悲劇の誘因になるよーな事は? ああ、そこまで妄想を逞しくしなくても(汗)   とはあれカラスよ、暫くは鳴くな。 たのむから。

 んな事を本当に考えたわけではないのだが(ちょっとは考えたけど)、多少無理をしても今日中にあの赤松は決着をつけておこう。 そうおもって山でフル装備で出かけたのが10時ごろだった。 

以下、毎度のフォレストワークの写真類。 詳細は別サイトで。
(追記訂正 2月23日)
 → http://kobikiya.web.fc2.com/forestwork070221.htm

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結論をいうと、チル曳きで狙い通り誤差ほぼゼロで(チル曳き・クサビ打ちでの伐採だから当たり前だが)赤松の伐倒は成功した。
 中折れも予測の範囲内。 事前に農道に危険表示・迂回表示をしておき、立入り禁止のテープを引き回しておく作業に時間を食ったが、毎度の単独処理で枯損木始末をつけた時はやはり柏手(カシワデ)を打って杜の奥に響かせたくなる。 おー、やはり日本人は何かにつけてカシワデを打つんだよね。

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 予め倒しておいたチェンソー彫刻の用材を建て直し、伐倒した赤松はそのままにして時間ギリギリで自宅へ戻りNHK総合TVでの伐採生中継番組をチェック!

う~ん。 ま、向こうはプロだし、環境も設定もまるで違う別の世界の話だからコメントも何もない。

 ただ、みんな頑張れの一言くらいは言ってみても特にバチがあたるという事もないだろう。 ヤマを守る。 だが常に安全第一。 祈る無事。 それだけ。 

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最後にツルの写真を掲載したのは枯損木の怖さを記録強調しておくため。 健康な木に通用するツルと枯損木のツルとでは、その感覚からして違うのだが、ゆっくりと倒れるその倒れ方にだけ本当の答えを読み取れる。

明日はどうやら雨になるらしい。

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コメント

 伐採生中継を見ました。先日の伐採見物の後だったので 受け口・追い口の専門用語が解かってよかったです。
 あの枯損赤松を一人で伐ったのですか?一人でやれないことはないのでしょうが万一のことを考えると立会人がいる方がよいのではと余計なことを考えてしまうのは素人の浅墓さでしょうね。
 
 大分前のことですが師匠に伐採の話を持ちかけた時「おいしい所だけ欲しい」心を見透かされて、「周囲の状況や後片付けがどうなるのかなど事前にチェックしておかないと出来ない」と言われてしまったことがあります。
 大量の枝葉の処理も大変なのですね。先日は片付けもろくにしないで申し訳のないことでした。

 柏手は先に打っておいたほうが効果があるとおもいますが(笑)

ebonyさん、TV中継を見ていただき感謝です。 林業の現場について一人でも多くの人が関心をもつようになって貰いたいものだと思います。
 あの赤松は私が借用して使っているエリアだけでなく、農林道に倒れ掛かって通行人に危害をおよぼす惧れがあったので伐りました。 折角、チェンソー彫刻を面白がって見に来てくれている人の中に怪我人がでたり、まして生命にかかわるような事故があったりしたら と思うと猶予はありませんでした。 赤松に吹きかける風を一緒に受けていた樫が無くなったという事の意味は、それほど小さくないように思っていますので、これも枝葉の始末とおなじ後始末のうちと考えています。
 私の場合のカシワデは無事に仕事を為遂げた感謝という意味あいが強いかもしれません。

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