2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
フォト
無料ブログはココログ

ブログの起点

15年も前の事など

« 欅の器(1) | トップページ | 駄洒落 »

2006年3月 2日 (木)

秘密

半ば公然の事として理解されながら「それは秘密である」としなければならない事ってのが世の中に結構あるような木がする。 ちゃった、気がする。
 広葉樹や松などのような癖のある重心の推測が難しい樹種が枯損木となったとき、それをどうやって処分するか。  安全を優先させて考えるなら、そういう木には手を着けるな というのがセオリーだ。 つまり、重機を利用するのでない限り、そういう木を安全確実に処分する一般的な方法はない。
 もしどうしてもそうした枯損木を処分する必要があり、それも全く重機を使えない状況で処置するというなら、「禁じ手」である「元玉落し」を実行することになるかも知れない。 数日前、雨の中でそれに近い状況下、本職の仕事を一緒にやる経験を持つことができた。 まあ、本職も繰り返し言っていたように、「こういうことはやってはいけない」事なのではあるが。

 実は私も以前から元玉落しは繰り返しやってきた事だった。 そのとき良く自分で切断したチェンソーバーを樹芯の切断時に木自身の重力によって締め付けられ、木に取られてしまうという経験も重ねてきた。 発現されるのは数トンの圧搾力となる。

 当然、最初から救出用のチェンソーを準備しておく。
 実際には枝で作ったクサビを打ち込むことで伐採木にバーを挟まれるような事態をあらかじめ予防しておいたり、木回しや現場で作ったバカ棒で救出できる場合がほとんどではある。
 しかし、今回見たプロの技はそれと一味違った「知恵のある」方法論だった。
 なにがどういう風に知恵があるのか。
 うーん。 知ってしまえば当たり前のことなのだが、重力は上から下に向かう。

 他の木に斜めに寄りかかって立ち枯れている偏重心の木での重力分布は幹を軸方向に圧搾する方向を持つ訳だが、切断ポイントでベクトル分解すればそれは下向きのベクトルと水平方向に根元株を押す力とに分解されるわけだ。
 だから、そういう木を伐る場合は通常の玉伐りのような丸太の切断面を切り出すのではなく、掛かっている木の状況に従った垂直線の方向で伐る。 無論、単に伐るのではなく、側面から切り込んで樹芯の状況を確認しながら、どの程度まで切断すればこの幹が分離されるかを推測しながら伐る。 それも、上から伐るか下から伐るか状況を判断しながらベクトル図を考えながら作業する。
 言葉で書くと簡単だが、これは実は難しい。 斜面での観測は水平・垂直の感覚が頼りにならないものだし、何よりも、同じ状況というものが再現されることのない自然の環境では安易なノウハウ的「知識」に頼るのは危険である。
 だから私の場合は安全対策として予め枯損木の高い位置にロープでテンションをかけておかないと不安なのだが、プロはそんな事をしていては時間単価の仕事で生活などできるものかと笑う。
 うーん、そういう事でいいのだろうか。 ちょっと問題が違うような気がするのだけれど、ヤマにある仕事ってのはそういうものだと割り切る局面も仕方が無いのかもしれない。
 今回の相手は素人だったと思い出してくれたプロは、その後の始末方法では私のチルホール+滑車・スリングベルトの併用を認めて一緒にやってくれた。
 実は、プロが切り倒した松の巨木(?)が隣の大きな楢の木の太い枝に引っかかって宙吊り状態になってしまったとき、隣のヒノキの幹からチルホールで引き落とすという他人には余り見せたくない荒業もやってしまった。

ん。 これは秘密なんだよ 本当は。 

« 欅の器(1) | トップページ | 駄洒落 »

木を挽く」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 欅の器(1) | トップページ | 駄洒落 »